7.3.64. table_remove#

7.3.64.1. 概要#

table_remove はテーブルとそのカラムを削除します。もし、テーブルのキーあるいはそのテーブルのカラムにインデックスが張ってある場合はそれらも削除されます。

バージョン 6.0.1 で追加: もし、自分がなにをしようとしているかちゃんと理解しているのであれば、 --dependent yes パラメーターを使うことで1回の table_remove で対象テーブルを参照しているテーブルとカラムも削除することができます。

7.3.64.2. 構文#

このコマンドには2つの引数があります。:

table_remove name
             [dependent=no]

7.3.64.3. 使い方#

削除したいテーブルの名前を指定するだけです。 table_remove は指定されたテーブルとそのテーブルのカラムを削除します。もし、テーブルとそのテーブルのカラムにインデックスが張ってある場合は、張ってあるすべてのインデックスも削除します。

このセクションでは次のことについて説明します。

  • 基本的な使い方

  • 削除できないケース

  • 対象テーブルを参照しているテーブル・カラムも一緒に削除

  • 利用リソースの削減

7.3.64.3.1. 基本的な使い方#

次のケースを考えてみましょう。

  • Entries というテーブルがあります。

  • Entries テーブルにはいくつかカラムがあります。

  • Entries テーブルのキーにはインデックスが張ってあります。

  • Entries のあるカラムにはインデックスが張ってあります。

以下は Entries テーブルを作成するコマンドです。

実行例:

table_create Entries TABLE_HASH_KEY UInt32
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create Entries title COLUMN_SCALAR ShortText
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create Entries content COLUMN_SCALAR Text
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

以下は Entries テーブルのキーにインデックスを張るコマンドです。

実行例:

table_create EntryKeys TABLE_HASH_KEY UInt32
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create EntryKeys key_index COLUMN_INDEX Entries _key
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

以下は Entries テーブルのカラムにインデックスを張るコマンドです。

実行例:

table_create Terms TABLE_PAT_KEY ShortText \
  --default_tokenizer TokenBigram \
  --normalizer NormalizerAuto
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create Terms content_index COLUMN_INDEX Entries content
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

table_remove を実行する前に現在のスキーマを確認しましょう。

実行例:

dump
# table_create Entries TABLE_HASH_KEY UInt32
# column_create Entries content COLUMN_SCALAR Text
# column_create Entries title COLUMN_SCALAR ShortText
#
# table_create EntryKeys TABLE_HASH_KEY UInt32
#
# table_create Terms TABLE_PAT_KEY ShortText --default_tokenizer TokenBigram --normalizer NormalizerAuto
#
# column_create EntryKeys key_index COLUMN_INDEX Entries _key
# column_create Terms content_index COLUMN_INDEX Entries content

Entries テーブルを削除すると、次のテーブルとカラムが削除されます。

  • Entries

  • Entries.title

  • Entries.context

  • EntryKeys.key_index

  • Terms.content_index

次のテーブル(語彙表)は削除されません。

  • EntryKeys

  • Terms

table_remove を実行しましょう。

実行例:

table_remove Entries
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

以下が table_remove 実行後のスキーマです。 EntryKeysTerms だけが残っています。

実行例:

dump
# table_create EntryKeys TABLE_HASH_KEY UInt32
#
# table_create Terms TABLE_PAT_KEY ShortText --default_tokenizer TokenBigram --normalizer NormalizerAuto

7.3.64.3.2. 削除できないケース#

以下は削除できないケースです。

  • 1つ以上のテーブルがこの削除対象のテーブルをキーの型として使っている。

  • 1つ以上のカラムがこの削除対象のテーブルを値の型として使っている。

どちらのケースも参照先がなくなることを防ぎます。もし、削除対象のテーブルが型として参照されているままそのテーブルが削除されてしまうと、そのテーブルを参照しているテーブルとカラムは壊れてしまいます。

もし、削除対象のテーブルがどれかの条件を満たしたら table_remove は失敗します。削除対象のテーブルも削除対象のテーブルのカラムも削除されません。

以下は削除対象のテーブルがキーの型に使われるケースの例です。

次のコマンドは削除対象のテーブルとそのテーブルをキーの型として使うテーブルを作成します。

実行例:

table_create ReferencedByTable TABLE_HASH_KEY ShortText
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_create ReferenceTable TABLE_HASH_KEY ReferencedByTable
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

ReferencedByTable に対する table_remove は失敗します。

実行例:

table_remove ReferencedByTable
# [
#   [
#     -2,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531,
#     "[table][remove] a table that references the table exists: <ReferenceTable._key> -> <ReferencedByTable>",
#     [
#       [
#         "is_removable_table",
#         "lib/db.c",
#         11455
#       ]
#     ]
#   ],
#   false
# ]

ReferencedByTable を削除する前に ReferenceTable を削除する必要があります。

実行例:

table_remove ReferenceTable
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_remove ReferencedByTable
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

以下は削除対象のテーブルが値の型に使われるケースの例です。

次のコマンドは削除対象のテーブルとそのテーブルを値の型として使うカラムを作成します。

実行例:

table_create ReferencedByColumn TABLE_HASH_KEY ShortText
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_create Table TABLE_NO_KEY
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create Table reference_column COLUMN_SCALAR ReferencedByColumn
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

ReferencedByColumn に対する table_remove は失敗します。

実行例:

table_remove ReferencedByColumn
# [
#   [
#     -2,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531,
#     "[table][remove] a column that references the table exists: <Table.reference_column> -> <ReferencedByColumn>",
#     [
#       [
#         "is_removable_table",
#         "lib/db.c",
#         11463
#       ]
#     ]
#   ],
#   false
# ]

ReferencedByColumn を削除する前に Table.reference_column を削除する必要があります。

実行例:

column_remove Table reference_column
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_remove ReferencedByColumn
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

7.3.64.3.3. 対象テーブルを参照しているテーブル・カラムも一緒に削除#

バージョン 6.0.1 で追加.

もし、自分がなにをしようとしているかちゃんと理解しているのであれば、 --dependent yes パラメーターを使うことで1回の table_remove で対象テーブルを参照しているテーブルとカラムも削除することができます。

以下のスキーマの ReferencedTable は1つのテーブルと1つのカラムから参照されています。

実行例:

table_create ReferencedTable TABLE_HASH_KEY ShortText
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_create Table1 TABLE_HASH_KEY ReferencedTable
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
table_create Table2 TABLE_NO_KEY
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
column_create Table2 reference_column COLUMN_SCALAR ReferencedTable
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

デフォルトでは ReferencedTable を削除することはできません。

実行例:

table_remove ReferencedTable
# [
#   [
#     -2,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531,
#     "[table][remove] a table that references the table exists: <Table1._key> -> <ReferencedTable>",
#     [
#       [
#         "is_removable_table",
#         "lib/db.c",
#         11455
#       ]
#     ]
#   ],
#   false
# ]

--dependent yes パラメーターを使うことで ReferencedTableTable1Table2.reference_column を削除できます。 Table1Table2.reference_columnReferencedTable を参照しています。

実行例:

table_remove ReferencedTable --dependent yes
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

7.3.64.3.4. 利用リソースの削減#

table_remove削除できないケース のチェックをするためにデータベース内のすべてのテーブルとカラムを開きます。

もし、大量のテーブルとカラムがある場合、 table_remove はたくさんのリソースを使うかもしれません。このケース用の回避策があります。

table_remove は最大スレッド数が 1 のときはチェック用に一時的に開いたテーブルとカラムを閉じます。

thread_limit を使うと現在の最大スレッド数を確認・変更できます。

この機能は次のケースでは使われます。

実行例:

table_create Entries TABLE_NO_KEY
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
thread_limit 2
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],1]
table_remove Entries
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

この機能は次のケースでは使われません。

実行例:

table_create Entries TABLE_NO_KEY
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]
thread_limit 2
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],1]
table_remove Entries
# [[0,1337566253.89858,0.000355720520019531],true]

7.3.64.4. 引数#

このセクションではすべての引数について説明します。

7.3.64.4.1. 必須引数#

必須の引数は1つです。

7.3.64.4.1.1. name#

削除するテーブルの名前を指定します。

このパラメーターの使い方は 使い方 を参照してください。

7.3.64.4.2. 省略可能引数#

省略可能な引数が1つあります。

7.3.64.4.2.1. dependent#

バージョン 6.0.1 で追加.

対象テーブルを参照しているテーブル・カラムも一緒に削除するかどうかを指定します。

yes を指定した場合は、対象テーブルを参照しているテーブル・カラムも一緒に削除します。それ以外の場合は、どれも削除せずにエラーが返ります。

言い換えると、デフォルトでは、対象テーブルを参照しているテーブル・カラムが1つでもあると、対象テーブルを削除しません。

このパラメーターは注意して使ってください。危険なパラメーターです。

このパラメーターの使い方は 対象テーブルを参照しているテーブル・カラムも一緒に削除 を参照してください。

7.3.64.5. 戻り値#

このコマンドが成功したときは以下のようにボディは true になります:

[HEADER, true]

このコマンドが失敗すると、 HEADER にエラーの詳細が含まれます。

HEADER については 出力形式 を参照してください。